月間美術「デビュー展」について

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先日アートマガジン月間美術主催「美術新人賞デビュー展」について触れたので、もう少し詳しく書きます。
 
 まず美術新人賞「デビュー」展とは、月間美術というアートマガジンが主催しているちょっと珍しいコンペです。応募資格は18歳~45歳、平面作品のみで30号まで、出品料は9.000円応募締め切りは10月となっています。一次審査は書類選考なので作品を送らなくて良いので楽です。

 そして「デビュー」展とはどういったコンペなのかと言うと以下です。
美術新人賞「デビュー」は、
本格的にプロの画家を目指す若手のための美術コンクールです。
45歳以下を対象に、日本画、洋画、現代アートなどの平面作品を募集いたします。

 ということですが、具体的に入選以上になるとどういった恩恵があるのかということですが、それはズバリ 誌面で活動や作家本人を不定期ですが紹介してくれるところです(当然掲載にお金はかかりません)。

 作家の活動レベルにもよりますが、ギャラリーなどに扱われていて(普通は扱いありますが)活動が盛んで評判の作家は良く掲載されている印象です。しかしぼくのようにまだギャラリーを探してもいないような無所属作家でも、月間美術が作家紹介の企画などのときは入選・受賞作家も何名かピックアップして紹介して頂いたりもします。

 美術手帖やアートコレクターの掲載ほどメジャーではないかもしれませんが、やっぱり美術雑誌の紹介は大きいですよね。


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 ちなみに「デビュー」展に出品する方には気になる入選・受賞倍率はこちら。

第1回 2013年 応募者数 ?  入選倍率 ? 受賞倍率 ?
第2回 2013年 応募者数 202人 入選倍率 6.5倍  受賞倍率 33.6倍
第3回 2013年 応募者数 272人 入選倍率 10.4倍  受賞倍率 54.4倍
   過去最高
第4回 2013年 応募者数 202人 入選倍率 9.6倍  受賞倍率 40.4倍
第5回 2013年 応募者数 149人 入選倍率 6.7倍  受賞倍率 29.8倍

 応募者数が少ないのですが、入選・受賞倍率が高かったりするのが特徴でもありますね。

 第1回目の受賞倍率はデータが無いのでわかりませんでした。しかし第3回の応募者数が過去最高だったデビュー2015の速報に記載してあります。(僕は第3回)

 見てわかるように各年の倍率のバラツキがハンパないです。

 他の多くのコンペなども応募者数にバラツキはありますがここまで変わる理由は、まだ5回しかやっていないので安定していないということでしょう。安定しないまま消滅するコンペも非常に多いです。というより消滅するコンペの方が多数です。

 この「デビュー」展は他の多くのコンペとは違い、多少知名度のある美術雑誌が主催しているコンペですが今年の危機を乗り越えられるかどうかという感じですね。


 今年2017年のデビュー展の受賞倍率は前回の第5回よりも高まるか減るか。。出品を考えている方にの中には気になる方も居るでしょうけども正直わかりません。

 月間美術さんも他に類のない美術雑誌主催のコンペなど独自の企画をメインレベルで立ち上げているので、なんとしても消滅させたくないでしょう。

 第3回を機に毎年約70人も応募者数が減っていれば消滅の危機です。年齢制限も当初40歳以下でしたが、今は45歳以下に引き上げられています。応募者の減少を危惧してでしょうか、去年から「デビュー」展の説明会を美大を中心に愛知県立芸術大学や沖縄の芸大にまで説明会を各地でして周っていたようですね。説明会では「プロの画家になるための秘訣」などの美大生などアマチュアの方が食いつきそうな講座も抱き合わせのセットで構成されているようですね。

月刊美術取材の美術新人賞「デビュー2017」では、2016年に下記の日程で説明会を開催いたしました。
7月12日(火)午後1時~、日本大学芸術学部(江古田)
7月20日(水)午後1時30分~、アートスペースキムラ(京橋)
7月21日(木)午後1時~、創形美術学校(池袋)
7月22日(金)午後12時50~、愛知県立芸術大学(長久手)
8月12日(金)午後2時~、沖縄県立芸術大学 (沖縄県那覇市)
いずれも90分の説明会でした。
第1部 美術新人賞「デビュー」の目的と応募方法(20分)
第2部 プロの画家になるための秘訣(30分)
第3部 一般企業への就職を希望する美大生のために(20分 愛知県立芸大と沖縄県県立芸大のみ)
質問タイム(20分)

 しかし説明会をここまで色々していたにも関わらず応募者が前年よりも増えるどころか一気に減って応募者数増加には効果がなかったのは残念ですね。今までの応募者の中でそもそも美大生自体が、ほぼ居なかったと思います。

 美大生はまだ作家として自信もありませんし模索中の時点で公募・コンペに挑戦している人があまり居ませんからね。でも未熟なままでもチャレンジしていくことには大賛成です。

 美大生の食いつきは、あまり良いとは思えませんが月間美術は今年の2017年も栃木の文星芸術大学というところでも同様の説明会を行ったようです。

 どうやら主に美大生に参加して欲しいようですね。にしても美術手帖などアートマガジンって美大との繋がりを感じることがありますね。


 有名どころや海外展開などしている力のあるギャラリーは、やっぱり美大も新卒じゃないとギャラリーもなかなか扱ってくれない(採用しない)ですから。中途は別ギャラリーor作家の紹介でないと、自分でギャラリーに売り込んでも実力云々関係なく通常ほぼ良い反応はしてくれません。そういう厳しい事情も理解してくれて未来のアーティスト達のために美大に説明会も行っているのかもしれません。なにしろ”美術新人賞デビュー”ですからね。正に美大生や新卒者などがそのままデビューしたらタイトル通りのコンペになります。


 非常に美味しいコンペですし出すべきでしょう。

 ただ現代美術のコンペですし、公募団体系の作家さんは厳しいと思います。過去の受賞作品、またこのコンペの趣旨からしてクラシックな画風や技術を求めているわけではないでしょう。現代美術の中でも多少泥臭い作風やステレオタイプな画風が好きな審査員の方もおられますが、基本的にコンペは新しくて斬新なものを求めていると思います。自分しか描けない・描かないアートを見つければ勝率は上がるでしょうし、元々本来”アート”とはそういうものだと思っています。誰もやっていない新しいものを絵でも彫刻でも映像でもパフォーマンスでも言葉でも何でも表現して日常を生活しているアーティスト以外の方々に面白いでしょってことを理解してもらうことがアートだと僕は思っています。

 ぼくのレベルでアート語るなよと思われちゃいますが、新しいものでなければ意味がないと思います。芸術家は装飾画家ではありませんし。ぼくは両方を目指していきたいですが、どっちもまだまだ全然ですがそう思います。偉そうに語ってすみません。。あくまで僕の考えです。


 さてさて今回のお話の趣旨は「デビュー」展は他のコンペよりオイシイということです。

 年々こんなに応募者が激減してるのですから、今年も入選・受賞共に第3回から比べると非常に通過し易いはずです。こんなに倍率減った状態なら正直上位の賞狙いでまた挑戦したいくらいですけど、おそらく一度受賞した人はもう無理っぽいでしょうね(入選は別)。

 今年は応募者も増えるかもしれませんけど、どうでしょう。一気に百人単位で増えるわけでもないでしょうし。

 職業としてのアーティストを夢見てる方々は出品されては如何でしょうか?^^

 と言ってもコンペですから大半の方が落選します。そこは勉強と修行の精神ですね。それにコンペなどしなくともメジャーになっている作家はいくらでも居ます。どういった道を歩むかは本人次第ですね。

 気になることがあれば僕で良ければお気軽にご質問ください☆^^


最後に、「デビュー展」から若干進化させたバージョンの僕の作品ご紹介します(2016年度作)。

ぼくの作品は「Hybrid Realism」と言ってリアルな人物画にゲームのドット画面のようなユルイ背景でアンバランスを融合させた手法です。

リアルとユルさのハイブリッドという事です。描写のハイブリッドだけでなく人物やキャラのセクシャリティのハイブリッドも備えています。

この絵はRPG風ですが、テーマは自由に何でも描きます。手法だけがぼくのオリジナルな”アート”です。

元々リアリズムが得意だったので、こういう描き方を考えました。

ゲーム、ギャップ、筋肉が僕の作品のキャラでもありワールドです

DSC_0603c1.pngタイトル: Lost Blue(S30)

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